外国人が日本の歌熱唱…サイトと番組で紹介

NHK国際放送

NHKの国際放送「ワールドTV」と「ワールド・ラジオ日本」は、「WE LOVE JAPANESE SONGS!」と題した外国人による“のど自慢”を行っている。特設サイトに投稿されたのは、どんな熱唱だろうか。

 「WE―」は、「ワールド・ラジオ日本」で放送された日本のポップカルチャー紹介番組がきっかけ。海外のリスナーから日本人でも知らないような歌のリクエストがあり、日本の歌を好む外国人が多数いることが浮かびあがった。

 そこで2012年1月、それらを紹介するラジオ番組を制作することになり、歌声をネットで公募。昨年からは、歌い手の表情も伝えようとテレビでも放送し、動画として送ってもらうことになった。

 動画は特設サイト(http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/songs/)で公開し、閲覧者が投票。得票数の多い作品を中心に番組で紹介し、優秀作品には“グランプリ”が贈られる。今年は1月3日にテレビで、4、5日にラジオで放送。前回は36の国と地域から225本の動画が寄せられたが、今回は47の国と地域から338本が集まった。

 外国人が日本語の歌唱力を競う番組は、民放でも放送されているが、「WE―」の魅力は、粗削りでたどたどしい歌いっぷりのものまで、今も特設サイトでたっぷり紹介されていること。

別では昨年に続き、インドネシアからの投稿が最多。Jポップが進出する前から日本の歌が好まれ、1980年代には、五輪真弓の「心の友」が大ヒットするなど下地があったこともあり、バラードからブルース、演歌など幅広い歌が思い思いに寄せられた。

 また、日本語翻訳の仕事を続けるハンガリーの男性が、アコーディオンを弾きながら藤山一郎丘を越えて」を楽しげに歌うなど、欧米からも多くの投稿があった。

 客室乗務員として日本路線を行き来するスペイン人女性は、日本滞在中に演歌教室に通うほどのマニア。今回は教室の指導者が作詞・作曲した歌をフラメンコの踊りに合わせて披露し、見事、グランプリを獲得した。

 審査員特別賞には、コンゴ民主共和国の子どもたちが歌ったアニメ「となりのトトロ」の挿入歌「さんぽ」が輝いた。

 得票数順では、美空ひばり反戦歌「一本の鉛筆」を歌ったバングラデシュの少女が1位となり、YUIの「Rolling star」を歌ったトルコのバンドがそれに続いた。

 稲本宏之チーフ・プロデューサーによると、投稿者の多くが、アニメや漫画など日本文化への憧れから日本語を学び始めたという。「見ていて涙が出るほど日本の歌への愛が感じられる。なぜそこまで好きになれるのか。日本人としてありがたい」。ただ、韓国のKポップも人気が高く、稲本チーフ・プロデューサーは「投稿数の増加に単純に喜んでもいられない。企画にファンもついているので、国際放送の名物企画に育てたい」とも語り、情報発信のさらなる強化を訴える。

 番組の日本語版は、ソチ五輪後、年度内にBS1で放送される予定だ。(旗本浩二)

YOMIURI ONLINEより引用しました。