若田さん、4度目の宇宙へ出発 船長として半年間、ISSで活動

【モスクワ=佐々木正明】日本人宇宙飛行士の若田光一さん(50)ら日米露の飛行士3人が乗るロシアの宇宙船「ソユーズ」が国際宇宙ステーション(ISS)に向け7日午後1時14分(日本時間)、カザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。

 順調に行けば、若田さんは打ち上げから約6時間後にISSに到着。来年5月まで約半年間滞在し、後半2カ月間は日本人初となるISS船長に就任する。今回、ソユーズは来年2月にロシア南部ソチで開催される冬季五輪を盛り上げようと、宇宙へ聖火トーチも運搬する。

 1996年に米スペースシャトルに搭乗して以来、4度目の飛行となる若田さんは世界各国の宇宙関係者が信頼を寄せる「日本人飛行士のエース」(同関係者)。自身もISS船長に選ばれたことに「日本人はきっちりとした仕事をしてくれるという評価があるから」と述べたことがある。

 若田さんはISS船長として、他のクルーの作業状況や健康状態を把握するほか、火災発生などの緊急事態への責任を持つ。さらに滞在中は専門のロボットアーム操作の腕をかわれ、補給船の到着作業などに関わるほか、日本実験棟「きぼう」でマウスの胚性幹細胞(ES細胞)を使って、宇宙環境の影響を調べる実験なども実施する。

 若田さんは6日、打ち上げ前の記者会見で「成功に向けて1人1人の能力を最大限に引き出し、いい結果を出せるようにしたい」と抱負を語った。

 ISSに運ばれる聖火トーチは宇宙飛行士が一緒に船外活動を行った後に、再び地球に“帰還”し、五輪開会式で最終ランナーが聖火台に点火する際に用いられる。若田さんも宇宙で行われる「聖火リレー」への参加を楽しみにしている。

msn産経ニュースより引用しました。