茸、西山、喪明け……。ケータイ成金が使う隠語とは?

ガラケーやスマホの契約を繰り返し、キャッシュバックや端末売却で大金をゲットする“ケータイ成金”。彼らはネットを通じて情報交換しているのだが、仲間内で交わすその言葉は意味不明の隠語で溢れている。

「新宿行脚中。淀から西山、魚籠と回る予定」
「ガチピン、MNP0円CB20Kだけどコン盛り」
「来月茸喪明けMNP予定なんだけど、美男弾仕込んで同時発射はマズい?」

どういう意味? ケータイ販売事情に詳しいフリーライターの後藤一泰氏が解説する。

「文字列を順番に訳すと、

『新宿でお店巡り中。ヨドバシカメラ、ヤマダ電機LABI新宿西口館、ビックカメラの順に回る予定』
『ドコモのF-03Dの本体色ガチピンクがMNPで一括0円、キャッシュバック2万円。でも多数のコンテンツ加入必須』
『来月ドコモ2年縛り契約が明けてMNPするつもりなんだけど、2 in 1(1台のケータイ契約に、ふたつの電話番号をつけられる制度)のBナンバー(副回線、ふたつ目の電話番号)をつくって同時にMNPしちゃまずいかなぁ』

って意味になります」

ドコモはドコモダケで「茸」、西口のヤマダ電機で「西山」、2年縛り契約が明けることを「喪明け」などなど。なぜ、こんな言い回しをするのか。それには2つの理由があると後藤氏。



「理由のひとつは、コミュニケーション円滑化のためです。『新宿のヤマダ電機LABI新宿西口館』と書くよりも『西山』と書いたほうが早いし、知っている人には十分意味が伝わります。

ふたつ目に、“新参者”の排除が考えられるでしょう。こうした掲示板は利用者相互の情報共有で成り立っています。そこに新参者がやって来ておいしい情報だけを拾っていくようになると、誰も情報を公開しなくなります。つまり、あえてわかりにくい言葉を使うことで新参者を排除しているのです」

新参者が「どんな意味なの?」なんて質問しようものなら……。

「まったくもって無視されることになるでしょう。ひょっとしたら『100年ROMってろ!』という温かい言葉をもらえるかもしれません。ROMはネット上で使われるスラングで『Read Only Member』の意、読むだけで書き込まない人のことを指します。つまり、『自分がわかるようになるまで質問せず読むだけにしておけ』ってことです」(後藤氏)

興味がある人は、しばらくROMって解読してみては?

週刊プレイボーイ45号「これで“情強”になれる!? ケータイ成金スラング集」より

ネタりかより引用しました。