高梨沙羅、まさかの4位でメダル逃す

 「ソチ五輪ノルディックスキー・ジャンプ女子」(11日、ルスキエゴルキ・センター)

 今季W杯で13戦10勝と圧倒的な強さを誇った日本のエース・高梨沙羅(17)=クラレ=は、2回目で98・5メートル、118・9ポイントをマーク。トータル243・0ポイントで4位に終わり、メダルを逃した。1回目では100・0メートル、124・1ポイントで3位につけていた。

 W杯では無敵を誇ったスーパー少女に、五輪の女神はほほ笑んでくれなかった。

1回目は軽い追い風の中、思ったほどに距離を伸ばせず3位。高梨の表情に、硬さが目立った。2回目も軽い追い風と、環境にも恵まれず、メダルを手にすることはできなかった。試合後は目に涙を浮かべ「(五輪は)やはりどこか違うところがあるなと感じました。1本目も2本目も、自分が納得いくジャンプが出来なかったので、すごく残念です」と話した。

 大会直前、今月2日に行われたW杯第13戦では、女子ジャンプW杯最多勝利となる10勝目をマーク。また、W杯通算19勝とし、複合の荻原健司(44)と並ぶ日本選手の最多勝利に並んだ。金メダルの最有力候補と目されていたが、力を出し切ることはできなかった。

 競技開始は通常のナイター大会よりも遅い午後9時30分。普段は早寝早起きを心がけているという高梨も、4日のソチ入り後は、五輪の映像やお笑い動画を見て午前4時まで就寝せず、正午前に起きるというスタイルで体内時計を調整。独自のコンディション作りを行った。

 9日の公式練習では、3本ともにK点超え。ただ、トップに立ったのは1回のみと、やや不安も除かせていた。

 また9日にはテレビで女子モーグル決勝を観戦。4位に終わった上村に「惜しかった。私の中では納得いかない感じがした」と悔しさを共有しつつ、「私も日本の代表としてここに来させてもらっているんだな」と、5回連続五輪出場を果たした大先輩から日本選手団の一員としての誇りを受け継いだ。

 強い思いは、同じジャンプの“先人”たちからも受け継いでいた。W杯第13戦後、ソチへ向かうミュンヘン空港では、W杯をともに転戦していた先輩たちから、サプライズで餞別の品を受け取った。「お菓子に、マジックでメッセージが書いてあるものをもらった。涙が出るくらい感動しました」。今大会から新種目として採用された女子ジャンプ。その道のりは平たんではなかったことを知っているだけに、気持ちを引き締めていたが…。結果は不完全燃焼となってしまった。

 金メダルは1回目で首位に立ったカリーナ・フォクト(ドイツ)。銀メダルはダニエラ・イラシュコ・シュトルツ(オーストリア)、銅メダルはコリン・マテル(フランス)が獲得した。日本勢は、伊藤有希(19)=土屋ホーム=が7位入賞、山田優梨菜(17)=白馬高=は30位となった。

 

デイリーより引用しました。