アイ・ラブ・ニューヨーク 裏切りか功績か

米国家安全保障局(NSA)が米国民の通信履歴を秘密収集していた慣行を暴露し、ロシアに亡命中の米中央情報局(CIA)元職員、スノーデン容疑者の功罪を問うマスコミ討論会が開かれた。参加したのは米新聞大手ニューヨーク・タイムズの法律顧問、同ワシントン・ポスト編集幹部、米雑誌大手ザ・ニューヨーカーの編集者である。

 「(国家のプライバシー侵害を)白日の下にさらした価値と、スパイ活動取締法違反の重みを比べるべきだ」とはニューヨーカーの編集者。

 ポスト幹部は、「外国メディアに情報を流すなんて、米国人ならなぜ米議会で情報を発表しなかったのか」と主張する。

 同幹部が引用したのが、ベトナム戦争に関する米政府の秘密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を暴露した元国防総省職員のエルズバーグ氏。「エルズバーグ氏は自らボストン連邦検察局に出頭したではないか」とする。

 すると、タイムズの法律顧問が横やりを入れた。「エルズバーグ氏への訴追は却下されたが、(イラク戦争時の機密ファイルを漏洩(ろうえい)した)マニング上等兵は35年の禁錮刑を受けたよ」

 結局、「恩赦を与えるべきか」という討論会の議題に誰一人として答えることはできなかった。(松浦肇)

 

msn産経ニュースより引用しました。