「明日ママ」見て女児が自傷行為 日テレに全養協から新たな抗議書届く

児童養護施設の団体などから内容改善を求められ、番組を提供するスポンサー企業8社すべてがCMを見合わせた日本テレビ系「明日、ママがいない」(水曜後10・0)の第3話が29日、予定通り放送された。同局はACジャパン(旧公共広告機構)の公共CM10本を中心に差し替えて対応した。全国児童養護施設協議会(全養協)からは、ドラマを見た女子児童が自傷行為をした事例などを盛り込んだ新たな抗議書が同局に届いた。(サンケイスポーツ

 スポンサー企業8社のCM放送も、企業名の表示も、一切なし。そんな異常事態の中、予定通りドラマは放送された。

 この日も芦田愛菜(9)主演で児童養護施設を舞台に描かれ、最初のCMが流れたのは午後10時12分。公共CMが4本立て続けに流れ、その後も公共CMが相次いだ。CMだけ見れば、東日本大震災後の民放テレビ番組をほうふつとさせた。ドラマの後半は公共CMのほか、スポンサー企業以外の短いスポットCMや他の番組宣伝が流れた。

 この日の放送前、全養協が同局に郵送とFAXで新たな抗議書を送る動きがあった。施設で生活する女子児童がドラマを見た後「死にたい」と訴え、自傷行為をして病院で手当てを受けた事例を報告。別の女子児童はクラスメートから「お前も、どこかにもらわれるんだろ」とからかわれたという。

全養協に所属する全国の施設は約600あり、2、3歳から18歳まで約4万7000人が生活。今回の抗議書は第1回放送後の17日から27日の間に全養協の役員67人のもとに挙がった実態報告や声から作成した。児童からの不安や批判する声は約100件あった。

 全養協は「施設の子供たちをこれ以上、傷つけることのないよう、人権に配慮した内容に改善するよう要請する」として日テレに対し、2月4日までに文書で回答するよう要求。対応次第では放送中止の要求も検討するとしている。

 一方、同局側は27日の社長会見で「最後まで見ていただければ制作意図は分かってもらえる」と主張。脚本や演出の大幅変更はせず第9話の最終回まで放送する方針だ。

 ◆日本テレビ総合広報部 「本日(29日)、全国児童養護施設協議会より文書をいただきましたことは事実です。当社としてこれを重く受けとめ明日(30日)、番組責任者が全養協の方と直接お目にかかって誠意を持ってお話しさせていただきます」

 

msn産経ニュースより引用しました。