「こんな会社辞めてやる!」……その前にやっておくべきこと

「もう嫌だ! 今年こそ退職届を叩きつけてやる」……新年度に向けて密かに自由を手に入れる決意を固めている諸君。ちょっと手を胸にあてて考えてほしい。

景気は上向きにあるとはいえ、明確な理由なしに早期に退職を決めるのは危険だ。「急がば回れ」という言葉があるように、一歩踏みとどまって正気に戻ってみてはいかがだろう。

まず、“とりあえず”退職届を用意してみよう。意外と感じるかもしれないが、本気で会社を辞めたいなら、仕事が忙しくても時間を割いてでも筆を取る。また完成した退職届を持っていれば「その気になればいつでも辞められる」という精神的な保険をかけることができる。つまり退職に対する本気度の確認と心の余裕を確保できる有効な手段なのだ。

次に「退職までの期間」を決める。仮に期間を3カ月と設定し、現状を変えるために自分ができる努力を行い、環境に改善の兆候が見えない場合は退職の決意を固めよう。ただし何らかの希望を見いだせた場合は、その期間を1カ月単位で延長してみてほしい。あくまで姿勢は会社との契約ではなく、自分との約束という認識で強気になっていただきたい。

さらに今一度「自分のキャリアをイメージ」しよう。本当にしたいことなんてないのが本音かもしれないが、それはあなたが仕事内容を軸にしていない証拠でもある。ひょっとしたら企業の環境に重きを置いているのかもしれない。このように軸を探しながら「この会社から逃げたい」ではなく、「こんな仕事がしたい、この環境なら自分はもっと輝ける」というポジティブな発想の転換が大事だ。

最後に「求人広告をチェック」。求人を探す目的ではない。自らのキャリアが転職市場でどれだけの価値があるか知る手段として利用するのだ。冷静に自分の実力をチェックできることはもちろん、今の環境が恵まれていることがわかったり、あの会社に転職するには、今のキャリアが重要なことにも気づけるなどメリットがたくさんあるので実践してみる価値は大いにある。

ここまでいかがだっただろう。ブラック企業が我が物顔で闊歩し、社員を取り巻く環境は日に日に悪化している昨今。今年はアベノミクス効果で転職市場の活況が予測され希望の光りが見えつつある。これはチャンスでもあり罠でもあることを認識し、今の自分を冷静に見つめ、本当の意味で生き生きと働ける環境を手に入れてほしい。

 

ガジェット通信より引用しました。